ピアノ レッスン日記 №3
ピアノを習いはじめて1年ちょっとのはるちゃんは、サティが大好き

はるちゃんは、いつもていねいに譜読みをしてきます。 宿題の曲を弾き間違えることなく演奏できて、ごきげんのはるちゃん。 でもね、左手の伴奏の音がちょっと強いなあ。 「この曲では左手は伴奏だから、もう少し静かに弾いてごらん。」 「わかった」 はるちゃんは今度は左手の音が強くならないように気をつけて演奏します。 ところが、今度は右手のメロディラインがおろそかになってしまいました。 「右手は歌だからね。歌うように、お話をするように弾こう。 ここはだんだん強くして、最後はお話をするときのように少し静かにして」 …… やや間があって、はるちゃんが一言。 「しつこい!」 そして、悔し涙がポロッ。
そうだね、先生はしつこく要求するよね。 必ずしも思い通りに動いてくれない10本の指を、自分の意のままに動かせるようになること、これはとても難しい。 どういうふうに演奏したら、その曲の美しさ、その曲らしさが表現できるか、これも、とても難しい。 だから、ひとつのことができるようになってもそのことに満足せず、 次のハードルもとべるように頑張って練習していこう、はるちゃん。
ピアノ担当 溝尻雅子